Veo Camera ユーザーレビューブログ

ディレイドスタートは、ワンオペ撮影の救世主か

2025年2月7日、Veoは、iOS版のVeo Cameraアプリバージョン3.4.3を公開し、新しい機能をいち早く試すことのできるベータテスタープログラムの提供を開始しました。

このベータテスタープログラムとして、最初に提供されたのが、録画開始時間を指定できる、ディレイドスタート(Delayed Start)です。

今回は、このディレイドスタートをご紹介します。

ディレイドスタートとはどのような機能か

個人的なお話しで恐縮ですが、Veoで撮影する試合前の作業をご紹介します。

  • 試合会場に到着
  • 三脚の設置
  • 着替え
  • メンバー表など試合準備
  • Veoの設置:電源を入れてプレビューで画角を確認します
  • アップ・練習
  • Veoの撮影開始:録画開始
  • チームミーティング
  • メンバーチェック
  • 試合開始

自ら選手として出場もする方であれば、多少前後することはあっても、概ね同様の手順ではないかと思います。
練習試合や参加リーグのレギュレーションによっては、メンバー表が不要で、多少の時間的余裕はあるかもしれません。逆に、前の試合の審判をして時間的余裕が少なくなることもあるかもしれません。

指導者の方であれば、自らの準備は少ないでしょうが、逆に試合直前まで選手たちの様子を見守るため、離れてVeoの操作をするのは負担なのではないかと推察します。

また、試合開始の直前に録画開始しようとすると、スマートフォンとVeoの接続がうまくいかなかった場合など、思わぬ時間を取られてしまい、非常に慌ただしい状況になります。
そのため、他に専任で操作を頼める人がいない場合は、試合開始のかなり前から余裕を持って時間を作り、録画開始をする必要があります。

このように、かなり早い時間から録画開始した、Veoで撮影した試合映像は、キックオフの前に練習風景などグラウンドの映像が長々と続くものとなっていました。

今回、ベータテスタープログラムとして公開された、ディレイドスタートは、このキックオフ前の映像を短くすることができるものです。

ディレイドスタートの使い方

ディレイドスタートを利用するには、まずベータテスタープログラムに参加する必要があります。

Veo Cameraアプリでカメラ本体と接続し、設定(Setting)ページを開くと一般(General)カテゴリーに「ベータ版に参加する(Join BETA)」というメニューが追加されています。

「ベータ版に参加する(Join BETA)」メニューをタップすると、ベータテスタープログラム参加ページが開きます。
「サインアップ(Sign up)」をタップして、アカウントとパスワードを入力してサインアップします。

ベータ版機能として「遅延録画(Delayed recording)」が表示され、ステータスが「Disabled」となっています。
これでは、まだ利用できないことになりますので、いったんアプリを終了して、改めてアプリを起動します。

アプリを再起動し、同画面を開くと、「遅延録画(Delayed recording)」のステータスが「アクティブ(Active)」に変わっています。

メイン画面に戻ってみると、画面上部の背景に薄く「BETA」の文字が並んでいることが分かります。
また、画面中央の「録画(Record)」ボタンの脇に時計のアイコンが表示されています。
この時計のアイコンをタップすると、ディレイドスタートのページが表示されます。

ディレイドスタートの設定方法は、2つ用意されています。
ひとつは現時点から何分後に録画開始するかを設定する「タイマー(Timer)」です。

もうひとつは、録画開始時刻を指定する「時計(Clock)」になります。

ディレイドスタートの設定ページで「遅延開始の設定(Set delayed start)」をタップすると、メイン画面に戻り、録画開始までのカウントダウンが始まります。
この状態になったら、Veo Cameraアプリを閉じてカメラから離れても大丈夫です。

まとめ

実際に使ってみると、当初は本当にこれで録画が開始されるのか、心配にはなります。
もし録画が開始されなかったとしても、離れた場所にいれば、それを知ることができないからです。

とはいえ、テストも含めて実際に使った数回の実績では、録画が開始されなかったことはありませんでした。
録画が正しく開始されれば、その効果は分かりやすいものです。


上の画像はVeo Editor上の試合映像の左下部分を比較したものです。
シークバーで最初の”○”までの長さでキックオフまでの時間を推し量ることができます。
ディレイドスタートがなかった時期の上と比較して、ディレイドスタートを使った下の方が、キックオフまでの時間が短くなっていることが分かるでしょう。

これでも、多少余裕を持って設定していますので、きちんとタイムスケジュール通りに運営されている大会であれば、より無駄な映像を含めずに録画できることでしょう。

もちろん、試合前の作業も余裕を持って行うことができました。
むしろ、この心理的な効果の方が大きかったかもしれません。

実はこのディレイドスタート、VeoのJerry氏に記事にしたインタビューの数ヶ月あとで、お目にかかる機会があった際に、新しいアイディアとしてリクエストしたものです。
もっとも、拙い英会話できちんと意図が伝わったのか分かりませんし、同様のアイディアはVeo社内や世界各地のユーザーからもあったかもしれません。
それでも、約3年の年月を経て、実現した機能には感慨深いものがあります。

ディレイドスタートは、試合映像から無駄な部分を除くことで、データ削減に寄与することも期待できます。
ユーザー側ではアップロード時間が短くなりますし、Veo側でもシステムが処理するデータ量が減り、保存するストレージの増加を緩やかにできるかもしれません。

まだベータ版となっており、なにが課題となっているのか分かりませんが、早く正式版としてリリースされることを願っています。