Veo Camの新モデル、Veo Cam 2のレビューを行っていきます。
前回のレビューで、“SIMカードによるライブ配信は現状できない”ことが分かりましたので、別の方法でライブ配信を試すことにしました。
Veo Cam 2はWiFi接続が可能ですので、「モバイルWiFiルーター」を使うことにしました。
WiFiルーターはインターネット回線とWiFi通信の仲立ちをするものです。インターネット側を携帯回線にして、持ち運びできるのがモバイルWiFiルーターになります。
今回使用したのは、au系のUQモバイルが提供している『Speed Wi-Fi 5G X11』です。
同様の機器は他の携帯電話会社からも提供されていますので、ご契約などに合わせてお選びください。利用の仕方は、基本的に変わりません。
まず、Veo Cam 2にWiFiルーターを登録する必要があります。
Veo Cam 2の電源を入れ、スマートフォンのVeo Cameraアプリと接続します。
プレビュー画面の右上の3点メニューから設定メニューを開きます。
メニューの中から「カメラ設定」をタップし、画面下方の「イーサーネットサービス」(※Internet Serviceの誤訳ですが、あえて画面表記のままにしておきます)をタップします。
ネットワークwifiの下に表示されている「新しいネットワークを追加」(上記赤枠)をタップします。
すると、Veo Cam 2の近くのWiFiのアクセスポイントを検索し始めます。
この時までにモバイルWiFiルーターの電源を入れておきましょう。
検索が終わると、「近くのネットワーク」としてWiFiアクセスポイントの名前が画面に並びます。住宅地や集合住宅であれば、ご自身のアクセスポイントだけでなく、隣近所で利用しているWiFiも電波が届く範囲で表示されていることがあります。
この中から、目的のルーターを選びます。この画面に表示されているWiFiの名前は、ルーターの「SSID」と呼ばれるものです。これはルーターごとに異なりますので、取扱説明書で確認の仕方を調べ、ルーター本体やルーターの画面で確認してください。
ご自身のルーターの名前をタップすると、パスワードの入力画面となります。
このパスワードもルーターごとに異なりますので、取扱説明書やルーター本体、またはルーターの画面で確認してください。
パスワードを正しく入力し、Veo Cam 2とルーターが接続できれば、前の画面に戻り「マイネットワーク」の下に設定したルーターの名前(SSID)が表示されます。
これで事前の設定は完了となります。
グラウンドに到着してからの作業は、通常の撮影時と変わることはありません。
三脚を立て、カメラを設置し、電源を入れ、スマートフォンのVeo Cameraアプリから接続します。
忘れないようにモバイルWIFiルーターの電源を入れ、撮影範囲を調整します。
プレビュー画面から、通常の撮影では「録画を開始」をタップしますが、ライブ配信の場合は「ライブストリーム+録画」(上図赤枠)をタップします。
すると、通常の撮影とは異なり、丁寧に撮影環境を確認する画面が続きます。
最初は三脚が高くなっていることの確認です。
次に、ピッチサイズの確認です。それぞれ「11人制」「7人制」「5人制」「フットサル」という選択肢になっています。
さらに、試合の対戦相手を入力する画面となります。
自分のチームを複数登録できるプランを契約している場合は、登録している自チーム名から選択することはできますが、自由に自チーム名を入力することはできません。
「自宅でプレイ中」という表記でON/OFFができるようになっていますが、これは英語表記では「Playing home」となっていますので「ホームゲーム」かどうかの確認の誤訳と考えられます。
ここまで入力を終えると、準備のアニメーション画面となります。この画面が終わると、ライブ配信が始まります。
なお、準備画面の状態でインターネット環境もチェックしており、下記のような画面になることがあります。
いずれもインターネットの速度が遅いという警告です。
草サッカーのグラウンドですと、河川敷など市街地から離れた場所も珍しくありませんので、モバイルWiFiルーターが利用している携帯電話会社の電波が弱いことも十分考えられます。
これらの警告が出たとしても、「続行」「接続不良のまま続行」を選択することで、ライブ配信を開始することはできました。
試合が終わりましたら、通常の撮影と同様に、スマートフォンのVeo CameraアプリからVeo Cam 2に接続します。
プレビュー画面から「録画を停止」をタップし、録画を停止します。
これでライブ配信も終了となります。
以上のように、モバイルWiFiルーターを利用して、Veo Cam 2の最大の特長であるライブ配信を行うことができました。
このモバイルWiFiルーターの機能は、スマートフォンでも「テザリング」という機能で実現できます。
Androidでは「テザリング」、iPhoneでは「インターネット共有」と名称は異なりますが、いずれもスマートフォンをモバイルWiFiルーターの代わりとして利用する仕組みです。
ただし、Veo Cam 2では、カメラの操作にもスマートフォンを利用しますので、1台のスマートフォンでカメラ操作とモバイルWiFiルーターの役割をさせるのは負荷が高く、また他の操作がしづらくなる可能性もあります。
また、Veo Cam 2のバッテリーに余裕があっても、モバイルWiFiルーターのバッテリーが切れてしまってはライブ配信を行うことはできなくなってしまいます。
そうならないよう、Veo Cam 2本体以外にバッテリーの残りをチェックしておき、場合によっては予備のバッテリーを用意するなどの作業が負担となります。
その意味では、外部の通信機器に頼ることなく、Veo Cam 2の本体に挿入するSIMカードでライブ配信できることの簡便さとメリットが改めて実感されるものとなりました。
早期に日本国内でもSIMカードによるライブ配信が可能になることを願います。