Veo Camera ユーザーレビューブログ

Veoの新しい三脚をチェック

Veoは、2023年12月頃より、新しい三脚の受注を始めました。今回はこの三脚をレビューします。

先行して受注を始めたVeoは、2024年に入ると、インターネット上にプロモーション映像も公開しました。


女性が地下鉄に乗って三脚を運ぶ姿に、軽さと可搬性に期待が高まります。

新しい三脚のラインナップ

Veoのサイトで確認すると、ラインナップは次のようになっています。

  • Veo carbon fiber tripod 5.2 meter  €249
  • Veo carbon fiber tripod 7.4 meter  €399

ちなみに旧モデルは次のようなラインナップでした。

  • Manfrotto/Veo 3.6 meter (indoor)  €109
  • Manfrotto/Veo 3.8 meter  €199
  • Manfrotto/Veo 7.6 meter  €399

Manfrottoという三脚メーカーの名前がなくなり、商品名にカーボンファイバー(carbon fiber)と入っている以上、既存のメーカー製ではなく、材質も変更されていると考えられます。

さらにオプションとして、バッグもラインナップされています。

  • Veo tripod bag 7.4 meter  €35
  • Veo tripod bag 5.2 meter  €29

旧モデルで持ち運びには大変苦労したことを思えば、オリジナルのバッグも用意されていることは、たいへん魅力的です。

そこで、今回、購入したのは、「Veo carbon fiber tripod 7.4 meter」と「Veo tripod bag 7.4 meter」になります。ちなみに送料は€129でした。
旧モデルで購入した「Manfrotto/Veo 3.8 meter」とも比較しながら、見ていきます。

パッケージ内容

パッケージ内容を画像でご紹介していきます。

細長い段ボールから取り出したのは上画像の通り。三脚本体、ユーザーガイド、転倒防止用のサンドバッグ3つ、その他の付属品の入った箱です。

その他付属品の箱を開けると、風対策用ケーブル(Wind Bracing Cable Kit)3本、袋が2つ出てきます。

袋の中身はメタルペグ(Metal Pegs)3本と、スタビライジングペグ(Stabilizing Pegs)3本です。
その他付属品は、いずれも三脚が風で転倒することを防止するために地面に固定するための器具です。ケーブルやペグにVeoのイメージカラーであるグリーンがあしらわれています。

三脚本体の確認

三脚本体にはVeoのロゴがプリントされています。旧モデルのように、三脚メーカーのロゴは見当たりません。

旧モデルと比較すると、中央ポールがかなり太く、材質が変更されていることが分かります。長さは、伸ばしたときの高さが倍近い割には、それほどの違いはない印象です。

持った印象は明らかに軽くなっています。
そこで、体重計を使って、三脚を持ったときと三脚を持たないときの差分で重量を計測してみました。

  • Veo carbon fiber tripod 7.4 meter : 6.95kg
  • Manfrotto/Veo 3.8 meter : 9.6kg

数字にすると微妙な感じもしますが、30%近く軽くなっていることになります。

三脚の足は、中央ポールを固定しているノブを緩めることで開きます。

足の開き方を旧モデルと比較してみます。

足は旧モデル(画像上)より大きく開くことが分かります。背も高い分、安定感があり安心できます。
もっとも設置する場所のスペースによっては足を全開することができないケースもあるでしょう。
その場合も、上記の中央ポールのノブでしっかり固定することはできました。

中央ポールの先には、新しいタイプのクイックリリースプレートが付いていました。

ユーザーガイドには記載がないため、これが標準で付属しているものなのか、なんらかのキャンペーン、サービスなのかは不明です。

新しいクイックリリースプレートは、ロックするための小さな金色のピンがなくなり、水平器が付いています。
水平器は、設置の際に傾いた地面で転倒のリスクを減らすためには便利な機能に思えます。
もっとも、三脚に取り付けた状態で上から水平器を確認するためには、何か台のようなものに乗るか、2m近い身長が必要になりそうです。

新しいクイックリリースプレートは、レバーが大きくなったためか、操作も軽く、使いやすくなった印象です。

当然、クイックリリースプレートは外すこともでき、ネジは変わらず3/8インチサイズになります。

純正三脚バッグの使い勝手

Veoとしては初めてとなる純正の三脚バッグも見てみましょう。

多少クッションも入ったバッグは、やはりVeoのイメージカラーであるグリーンの縁取りもあり、スマートな印象を与えています。

実際に三脚を入れてみると、さすが純正だけあり、クイックリリースプレートを付けた状態でピッタリおさまります。
ピッタリすぎて、ファスナーを閉める際には三脚本体を改めて押し込む必要があるくらいです。

それだけに、バッグの中で三脚が動いてしまう感覚はほとんどありません。

また、バッグ内側にはジッパー付きのポケットも付いています。
具体的に何を入れるかまでは示されていませんが、厚みがあるものや、重いものは入れるのが難しそうです。

バッグは、付属のベルトを取り付けて、肩に担ぐこともできます。

このようにバッグは水平近くにするのが標準的な運び方になりますが、前後に大きくスペースをとりますので、人込みの中では周りに迷惑をかけないよう、注意が必要です。

ベルトを最も短くすると、このように縦に担ぐこともできます。ちなみにモデルの身長は175cm強です。

旧モデルでは、車輪の付いたバッグを探すほどの負担がありましたが、軽量になったこともあり、バッグに入れて運ぶことの負担は大きく減ったように感じられます。

三脚による映像の違い

三脚そのものではありませんが、三脚の高さによって映像がどのくらい変わるのか、確認しておきます。

同じグラウンドのほぼ同じ場所から撮影したキックオフの場面です。
Veo Editorのインタラクティブモードで最もズームアウトした画面になります。

当然、カメラの位置の高い方が、より俯瞰の映像となっています。
一方で、カメラの位置を高くした分、カメラに映らない足元の領域は拡がってしまいます。これは、生成された試合映像で、サイドライン際のプレイが映像に入らないケースが増えることになります。
こうした場合は、サイドラインからの距離を取るか、カメラの高さを下げるか、バランスを取る必要があります。

総評

旧モデルと比較して、軽く、専用バッグも含めて取り扱いやすくなったことが実感できました。
重さや運搬に苦労していた方には、十分に買い替えを検討できるモデルと言えます。

新規でVeoを購入される方も含めて、三脚の長さの選択は、予算や置き場所、持ち運びやすさとの兼ね合いとなるでしょう。ただ、長い方でも手軽に持ち運べる軽さになっていることは、大は小を兼ねるという判断を促すものとなっていると言えます。

なお、ユニークなカメラ本体はまだしも、三脚に関しては、他社製品と比較検討したいという方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、背の高い三脚を国内で展開されているブランドを紹介します。

国内ブランドのご紹介

株式会社ルミカの撮影用ロングロッドブランドである『Bi Rod(ビーアイロッド)』です。

https://birodstore.com/

上記Webサイトにもあるように、スポーツ分析用途での使用も想定されており、Veoに関してもV-RENTさんと使用動画を制作されています。

今回、紹介するに当たって、Bi Rodさんからコメントも頂きました。

Bi Rodシリーズの中でVeoと最も相性が良い製品が「Bi Rod 6C-7500+専用三脚セット」になります。
耐荷重から先端1段目は収納した状態でお使いください。この場合、1.5kgまでのカメラを搭載することが可能です。

また、Bi Rodの先端は1/4インチオスネジとのことですので、クイックリリースプレートを付けるためには、変換ネジが別途用意する必要があります。

最後に

屋外のグラウンドを使用するスポーツ競技を撮影する際は、より高い位置からプレーエリア全体を俯瞰で撮影することが適しています。
アマチュアレベルでは、そうした撮影に適した観客席や足場などの設備があるグラウンドは少なく、苦心されている方も多いでしょう。

Veoに限らず、スポーツ競技のビデオ撮影に、背の高い三脚のニーズはこれからも高まっていくと考えます。
今後も、そうしたニーズの検討材料になるような情報発信を目指していきます。